(先に書いておきますが、今回の食レポ話、恐ろしいほどオチはありません。昭和~平成初期あたりの雰囲気を理解できる方だけ読んでくだされ)
実は明日は、出版健保の健康診断。年柄もなく?妙に意識してしまい、なんなら便秘で検便もできないという謎の繊細さを発揮w
20時までにメシを食わねば…酒も飲まずに…ということで、ブラブラ歩いて帰る途中に入ったのが、お茶の水にある明大生御用達(たぶん)のいかにもな肉系定食屋。
細い年季の入った階段を上がると、細長い店内で両脇の壁沿いにテーブルが2つ。椅子は2人くらいが座れる長椅子がそれぞれ3つほど整然と並べられている。
お店は薄暗く、客もまばら。というか、俺が入るまでに若いサラリーマンが一人だけ。あ、俺が入った途端に帰りやがった。もう俺だけ。逃げることもできない(いや、逃げはせんけど)。
中にはメニューもない。マスターが来たので、お店の前の看板にあったメニューを思い出して、「カロリー&ハンバーグ定食」を注文。するとマスターがぶっきらぼうに一言。
「お代が先だから」
おお、そうなんだ。あわてて800円を財布から出してテーブルの上に置き、滑らせるようにマスターへと手渡す。
店内のBGMはもちろん有線なんかじゃなくて、FMラジオのJ-WAVE。DJの小粋なトークが響き渡ると、心はいきなり30年前の大学時代へとタイムスリップ。
平成の初期は、ファミレスも多くできていたけど、こんな定食屋も多かった。景気のいいマスターの声とラジオのBGM、それに大学時代のトンチキな友だちとのバカなヲタ話が、食事を何倍も美味しくしてくれたスパイスだった。
ノスタルジアに浸っていると、マスターが「あいよ」と声を上げて、入口付近のテーブルから熱々の鉄板とごはんを、自分のところまでスーッと差し出してきた。

「カロリー」というのは、どうやらスタミナ焼にプレーンのスパゲティを和えたものらしい。スパゲティにソースはかかっておらず、スタミナ焼のタレをつけて食べる。
そしてハンバーグは、もしかして魚肉でも混ざってるんじゃないかと思しき、フニャっとした噛みごたえ。いやぁ、これこれ。これですよ。「牛肉100%」なんて売り文句、今じゃ普通に聞き慣れてるけど、そんなキャッチはこんなハンバーグがあったからこそなのよ。
旨さの座標軸(0,0)の、見事に昭和・平成初期スタンダード定食テイストをお見舞いされて、心の奥深くまで満たされるちょっと早めなディナータイム。
デミグラスソースを跳ねさせつつ、肉とスパゲティとライスをさんざん頬張って、あの頃のようにお腹をふくらませ、両手を合わせてご馳走様。
お店を出ようとしたら、入口付近に食券の自動販売機があった。細い階段横にめり込ませるように販売機を置くのも昭和ならでは…って、あーそうか。ここで食券を買わなきゃいけなかったのか。そりゃマスター悪かったw
お酒を飲んでいないので、店を出て夜風が頬に当たると、一週間前と比べてもヒンヤリと冷たくなっているのがわかった。気分はすっかり「孤独のグルメ」。
食べたのは20代の頃のようなメシだったけど、明日の健康診断では50歳初老待ったなしの容赦ないメタボ判定が待ち受けていることだろう。ま、少し酒の量を減らしたりすれば、もう少しの間くらいは、若い頃と同じご飯が食べられるかしら。
まだ口の中に残るデミグラスソースの余韻を楽しみつつ、まだまだ己の健康を願わずにはいられない、そんな11月の宵の口なのでした。
* * * * * * * *
…あ、店の名前はちょっと微妙な書き方をしちゃったんで一応伏せときますw わかる人にはすぐわかるんじゃないかと。
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