◆マゲ結った田口浩正はサッカー解説の松木に似て蝶 |
もともとボクは「仁」が大好きでして。
自分の立場にかこつけて、オキニの教え子にえこひいき。
その上、徹底的なスパルタコーチで鍛え上げて、ついには日本代表選手にまで育て上げちゃうという、この独善的な熱血さ。なんですか、この光源氏ぶりはw
しかも、最後は勝手に不治の病にかかって死んじゃうし。
ラストシーンの「かあさん、また岡の奴がかけてきたよ…」がまた泣かせるよなぁ。
コーチの死も知らずに飛行機に騎乗した岡、飛び去る飛行機にエンディングがかぶさって、最後は野沢那智の声で「岡!エースをねらえ!」…これぞ出崎統演出って感じで…。
しまったぁ、こりゃ「南方仁」じゃなくて「宗方仁」やったぁ~!!(同案多数)。
おそらく本年度ナンバーワンといっていいTVドラマ「JIN-仁-」。
もともと原作マンガからして裏人気があったわけで、ある意味このブレイクぶりもわからなくもないのですが。
実は私、ホントは医療系ドラマというものが好きではないんですね。
「命」というテーマは、もともとドラマの題材になりやすいものです。
極論を言えば、人が亡くなるシーンや、亡くなる人を助けようとするシーンで盛り上げられないくらいなら、もうドラマの演出家なんてやめちゃえよ、と。
ただ、最近のドラマというのは、「人の生き死にでお涙ちょうだい」という安直な企画や演出が多く見受けられ、その中でも「医療系ドラマ」というのは、まさに安直な企画力の権化だと思うんですな。
(だから、「コードブルー」とか見る気がしないんですよ。名作らしいけど)
しかし、この「JIN-仁-」というドラマは、そういった「医療系ドラマ」とは言い切れない要素が多くあります。
「もし現代の医者が幕末にタイムスリップしたらどこまで通用するか?」…そんな素朴なギモンに答えるように、幕末の江戸を舞台にした市井の人々に、現代の医療技術が施されていく痛快さ。
恋人への手術の失敗から、完全に挫折していた宗方仁という脳外科医が、江戸時代でスーパードクターとして復活を遂げる再生劇。
坂本龍馬、緒方洪庵といった歴史上の人物との交流という「大河ドラマ」的な見どころ。
うふふ、それにロケット巨乳ながら最近こけた頬のラインがちょっと気になる俺の嫁・綾瀬はるかちゃんや、昔坂本教授プロデュースでCDを出したことがある(どーでもいいが、昔、俺買ったw)中谷美紀さまと、主人公の仁との決して報われることがないラブストーリー。
そしてもっとも大切なのは、「なぜ仁が幕末にタイムスリップしたのか?」という、視聴者を惹きつけるミステリー要素。
これをキッチリと軸にしてドラマを構成しているからこその高視聴率であることは間違いないでしょう。
また、このドラマが「ハマった」要素として、やはり制作キャストに恵まれた部分が大きかったと思います。
なんといってもプロデュースが、あの「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」「MR.BRAIN」を手がけた石丸彰彦ですから。
(これを“「ドールハウス」「Stand Up!!」を手がけた”というと何の説得力も失っちゃうんですがw)
脚本も同じ森下佳子だし。
主人公自身によるナレーションとか、スローモーションシーンの多用、BGMがかかる絶妙なタイミングなど、良質なドラマ演出のできるスタッフが今回の製作に当たっていたことがまず幸運だったのではないかと。
また、その制作スタッフの流れで、「白夜行」に出演した俳優さんが多くいたりするのも、個人的にはプラス材料です。
(綾瀬はるか、武田鉄矢、小出恵介、麻生祐未…)
低視聴率で難儀した「白夜行」のリベンジができた形となったのが、ファンとしては嬉しかったり。
そしてそして、以前から大プッシュしていた内野聖陽という大怪優が、この石丸チームに合流したのがまた素晴らしい。
もはやこのキャスティングの時点で「JIN-仁-」というドラマの大成功は約束されたものだったと思うし、期待にたがわぬ内野のワイルドな熱演ぶりは、定型化されていた坂本龍馬というキャラ造形に一石を投じたといっても過言ではないでしょう。
そこかしこで見る「これは『龍馬伝』のあてつけじゃないか!?」という意見も思わず納得w
まあ、実際のルックスとしては、坂本龍馬は小日向文世が演じるべきで、内野は勝海舟だと思いますけどね。
ほらw
まあとにかく。
正直言うと、第2話のコロリ騒ぎのエンディングあたりが最もハイテンションで、その後少しパワーダウンしてるような気もするんだけど、最終回に期待しております。
あと、心残りなのは、同じ「白夜行」に出ていた渡部篤郎が出演していないことだけど、まあ国営放送の外事で警察しちゃってて、そこであいかわらず濃いぃ演技をしとるみたいなんで、それはそれでよしw