◆日本一名前にギャップがある俳優、それは沼田爆(爆) |
時系列がまったく違っていてすいやせん。HDDレコーダーに録画しておいた番組を、今ごろになって見たもんで…。
この「鬼平犯科張」スペシャル。
最近は、そのクオリティの高さとともに、
中村吉右衛門や梶芽衣子の老けっぷり…おっとと、アラウンド60、略してアラシー世代の俳優さんの大活躍ぶりが堪能できる、実に奥深いユーアーマイソウルな時代劇だったり。
…はっ!?
もしかして、実はドラマを通して、高齢化社会が抱える構造問題までも裏テーマとして提起しているとか!?(いい加減怒られるぞw)。
冗談はさておき、前回の「引き込み女」には思わず声を上げて泣いた私ですが、今回はというと…
う~ん、55点くらい?
まず、今回は
ゲストのミスキャスティングが痛い。
伊東“ベンジャミン”四朗の
往年の「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」を思い出す過多なコント芝居と、カキクケコ…じゃなかった賀来千賀子の
「もう~慌てんぼさんなんだから☆」的な狂乱のバタつき演技は、ともかくとして。
こりゃ、さすがの小松政夫じゃなくても、ヒジリキホッキョッキョだったんじゃないかと。 (意味不明)
じゃあ、抑え目な好演が光る國村準が良かったかというと、それも違うような気がするんですな。
鬼平に捕縛されるものの、その鮮やかな仕事ぶりが買われ、密偵になることを条件に死罪を免れた天引の文五郎(國村準)。
しかし、かつて留守中に亡くなった妻の供養をしてくれた犬神の権三郎(田中健)がつかまると、その恩義に報いるべくあっさりと平蔵を裏切り、権三郎が囚われていた牢を放火して救出する。
だが、文五郎との仕事で分け前をネコババしたことがバレたと誤解した権三郎は、逆に文五郎を殺すために多くの刺客を雇い始める…。 筋立てを考えれば、文五郎のバカがつくほどの実直ぶりを、これでもか、これでもかとアピールしなければいけないはずだと思うんですよ。
ところが、その文五郎を演じたのが、善玉も悪役もそつなくこなせる國村準だったため、いったい文五郎が
「外道仕事をしない一本筋の通った盗賊」なのか
「権三郎と鬼平をペテンにかけた大悪党」なのか、見ていて混乱してしまう。
わざと文五郎をいい奴か悪い奴かをぼやかして、視聴者の興味を掻き立てるような演出は、こういった「善人の盗賊たちが、ほんの小さなほころびから崩壊へと向かう悲劇」を描くにあたっては、蛇足というか、ドラマをミスリードして台無しにする恐れがあるんじゃないかと。欲張んなよなぁ、とw
あと、ラストシーンも中途半端というか。
こういう救いのないドラマの後は、なにげない平蔵と久栄の談笑シーンや忠吾の大ボケシーンで中和する必要があると思うんですね。
例えば…。
事件発生前の牢破りで平蔵を陰で散々なじっていたこともどこへやら、酒井と平蔵の前で、おべんちゃらを使いまくる忠吾。
忠吾「…いやぁ、この度の親方様の推理、さすがでございますな。この木村忠吾、感服仕りました次第でございますっ!」
思わず「プッ」と吹き出す平蔵。
平蔵「おい、ウサ。お前みたいに世渡り上手だったらよぉ、権三も文五郎も、死なずには済んだろう、よ」
なにを言っているのか、理解できない忠吾。
忠吾「へ? …は、確かに、私のように清廉潔白な身であれば、二人とも盗賊などせずに生きていけたでしょうが…同情いたしますなぁ…」
一瞬、酒井と向き合うや、ついに我慢できずにガハハハと笑い出す平蔵。キョトンとする忠吾。
笑いとともにインサートされるエンディング、名曲「インスピレイション」…。
はい、妄想終わり(恥)。
まあ、そんな意見もありますよ、と。
あと、古田求とあろう人が、安倍徹郎の名脚本2作を1本にするにあたり、あんなつなぎ目がはっきりとするようなお話にしてしまったことが、ちょっと腑に落ちなかったり。
彦蔵が斬られてしばらく、ドラマの盛り上がりを欠いたのは、脚本のせいなのか、演出のせいなのか、はたまた監督のせいなのか…。
まあ、良質でホントに好きな時代劇だけに、そんな細かいところでさえ気にしてしまうのは、マニアのめんどくさい性だったりするんですけどね。
…あ、尾美としのりの老けなさは異常(もうほっとけよw)。
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