最近、ダイエットに忙しく…ウソ、ギャンブルに忙しくwあまりテレビも視聴できなかったんですが。
今さらなんですが、ようやく「銭ゲバ」を最終話まで鑑賞しました。
まあ、なんというか…視聴率低迷やあまりの内容の暗さにスポンサーも離れたため、打ち切られたのではないか?という噂もあるようで。
いつものごとく、原作を見ていないのでなんとも言えませんが、実は原作の方がもっと酷い結末だったそうで。
一般には「暗い内容だ」と忌避され、原作ファンには「原作よりもライトだ」という中傷を受けるという、なんとも切ない話ですな。
確かに、原作からかなりの改変が施されていたのは事実。
特に、ドラマの後味を考えてか、蒲郡を「実は根はすごくいい人間なんです」的な結末にしてしまったのは、いかにも「…。」な感じなんですが。
(伊豆屋夫婦にお金を送金する後日談や、警官の荻野が蒲郡の金で手術した奥さんと楽しく談笑…とかいらんだろって。むしろ蒲郡が自殺する論拠を失うだろうが)
ただそれを補って余りあるのが、松山ケンイチやミソラ…みひろ…思い出した、ミムラ。(おい)それに椎名桔平、柄本時生といった、本当にトンデモナイ演技力をみせつけた俳優陣。
特にマツケンは凄い。
ミムラと反目するシーンや自殺シーンで見せた、ヨダレ、鼻水たらしまくりの、ジャリタレ上がりの役者では辿り着けない境地の発狂演技は圧巻でした。もしかしたら失禁くらいしてたんじゃないかとw
それに、大幅な改変のために矛盾や荒が目立った脚本の喰い足りなさを、シリアス満タンな演出でカバーしていった製作サイドの姿勢も賞賛に値します。
1シチュエーションで演者のアップを強調した長いカット割が多かったのも、俳優の演技力を信じきっていたからこそできたものでしょう。
最終回は、なんと死ぬ寸前の蒲郡が「もしも幸せな人生だったら」と夢想するシーンだけで全編が構成されるという、昨今のドラマの中ではなかなか見られない、ぶっとんだ演出。
うる星やつら2・ビューティフルドリーマーに代表される押井守作品やTV版エヴァンゲリオンの最終回を想起させずにはいられないという…はいはい、どうせ俺はアラフォーなオタクですよ、キショー!
しかも、自殺までの時間をさかのぼらせて、ジョージ秋山先生が訴えた「メッセージ」をほぼそのまま蒲郡に語らせるという粋なエンディングは、残念なストーリーの修正はあったものの、原作が訴えようとした、諦観と絶望の入り混じった社会へのアイロニーは十分伝えられたんではないでしょうか。
いやホント、舐めてましたがいろんな意味で「問題作」です。DVD、必見です。
しかし、このドラマをテレビ局・一般社会の両者が「受け入れない」という現実…。
視聴者は己の「快感」に訴えるドラマしか興味がなく、テレビ局も視聴率重視でスポンサーと視聴者に媚を売り、イケメンだけをそろえた天ぷら作品の製作に明け暮れる毎日。
…実に、世の中は「銭ゲバ」社会なんだねぇ。
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