とりあえずCMアイキャッチの豚はミスマッチ
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なんちゅうか、ドラマにとって、ジャニーズというのは「カレー」であります。
カレーというのは、だいたい料理の何にかけても美味い。
カレーパン、カレーうどん、カレーハンバーグ、カレーコロッケ、カレースパゲティ…。
ほぼ無敵。
ほぼ大多数の人が「不味い」とは言わないでしょう。
でもね…。
それでいいんか?という話なんですよ。
料理の調理法なんて山ほどあるじゃないですか。
もっと、いろんな工夫を凝らした美味しい料理が食べたーい。
ジャニーズがいれば数字は取れる(例外もあるが)。
でも、もっとドラマは作りようがあるじゃないかと。
腐ってもT豚S。「ドラマのTBS」としての遺産は、まだまだ残ってると思うわけですよ。
現在放送中の「魔王」もしかり。
「華麗なる一族」だって、「砂の器」だって、「クロサギ」だって、ドラマ全体の質としてはすごぶる上級。
調味料、具財、一流シェフ…キッチン周りはカンペキなんです。
でも、仕上げは、大野くん、キムタク、中居くん、山ピー…全部カレーソースで料理がぐちゃー。
ああ、もったいないったらありゃしない。
(クドカンみたいに、カレーをスパイス程度に抑えて、美味しいジャンクフードが作れるコックもいるけどw)
ってところで、この「白夜行」再放送ですよ。
本放送を見てた当時は、かなり惹き込まれてました。
レイプやら殺人やらと陰鬱としたネタが多い内容なんだけど、情感たっぷりの画面構成にのめりこんでいったというか。
それこそ、カレー料理だらけになりつつあったTV界で、素材の良さを生かした湯豆腐料理にありつけた感じ?
そしたらアレなんだって?
この「白夜行」って原作とかなり違っていて、ファンから相当ブーイングが上がってたんだって?
原作者の草野大悟…じゃなかった(おい)東野圭吾からも、「主人公の性格が180度違う」って言われちゃったとか。
まあ、大体「世界の中心で、愛をさけぶ」と同じスタッフで制作されている時点で、原作ファンからは違和感があったでしょうし…。
あちゃー。「湯豆腐」じゃなくて、「麻婆豆腐」だったか。
それでも、ですよ。
「白夜行」の原作もセカチューも見ていない自分が力説しても説得力がないかもしれませんが、それでもこの料理の完成度は高いんですよ(第1話のネタバレはさすがに噴飯モノなんだけど)。
綾瀬はるかと山田孝之という、「豆腐」と「ひき肉」の美味しさは言うに及ばす。味付けの「にんにく」と「唐辛子」というべき、武田鉄矢と渡部篤郎がまた格別!
河内弁で部下をなじり、ブツブツと歎異抄をつぶやく、まさに「悪の刑事物語」と化した武田の怪演技。
そして、二枚目正統派俳優から一転して悪辣なヒモ坊主男を演じ、武田以上に強烈なインパクトを与えた渡部の悪党っぷり。
今まで演じていた役のイメージを一変させた二人の豹変ぶりは、まさに必見です。
(特に渡部が途中からいなくなるのはホント惜しい)
本放送時の視聴率はイマイチでしたが、この再放送で再評価されてほしい作品なんであります。
たとえ「麻婆豆腐」でも、美味しいモンは美味しいと思うんだけどなぁ。