天皇賞があんなに盛り上がったのに、イクイノックスは有馬記念、パンサラッサは香港直行でジャパンカップには出走せず。天皇賞組以外でも、オークス馬のスターズオンアースは繋靭帯炎、凱旋門賞帰りのダービー馬ドウデュースは秋競馬全休で…
なんでしょうか、せっかくのジャパンカップだというのに、この脆弱なメンバーは。あんまりにも酷いので、じゃあこの20年で今年と同じくらい酷い出走メンバーのジャパンカップがあったかどうか調べてみましたw
これが意外と近くて3年前。
コロナ禍直前の2019年ジャパンカップだったのではないかと。

出走メンバーに外国馬は0。G1馬は5頭いましたが、2019年の間にG1を勝った馬もやはり0。「世界一最強馬決定戦」のはずが、実際は旬を過ぎた馬とG1未勝利馬によるチャレンジマッチ。勝ったスワーヴリチャードが天皇賞では7着だったことを見ても、歴代ジャパンカップでワーストレースだったと言い切っちゃっていいかもしれません。
しかし、2019年のジャパンカップがそこまで低レベルとなったのは、なんといっても天皇賞を勝ったアーモンドアイが回避して、(結果的にではありますが)有馬記念へと向かったからでしょう。天皇賞馬のイクイノックスが出走しない今年のレースと酷似していますが、これって別に偶然じゃありません。ジャパンカップと有馬記念の賞金額が同額なので、強い馬はジャパンカップに無理して出走する必要がないんです。
天皇賞・ジャパンカップ・有馬記念という“古馬三冠”制覇でJRAボーナスが出ますが、元々ローテーションが厳しく、これを成し遂げた馬はテイエムオペラオーとゼンノロブロイの2頭だけ。凱旋門賞の挑戦が以前よりも容易となったことで、ジャパンカップと有馬記念の両方に参戦する馬自体も減ってきました。
以前から言われていることですが、だいたい
世界一決定戦のジャパンカップと国内グランプリの有馬記念の賞金額が一緒というのは矛盾しているんですよね。同じグランプリレースである宝塚記念と比べて1着賞金額が倍額の4億円というのも、レース体系のバランスを崩していると思いますし。
しかも来年には、より多くの外国馬を参戦させるために、ジャパンカップと有馬記念の1着賞金額を5億円にするって話じゃないですか。外国馬と同時に日本の強い馬もジャパンカップに集めてくれないと競馬ファンも減ってくると思うんですが、単に賞金額を増額すれば解決する問題なんでしょうか…?
冒頭に「今年のジャパンカップは酷い」と書きましたが、
実はとっくの昔からジャパンカップの出走メンバーって低レベル化していて、この「酷い」は来年以降も頻発する可能性があると個人的には思っているのですが――。
さて、そこで2020年のジャパンカップです。
世界襲ったコロナウイルスによるパンデミック。2019年とは違い、物理的な理由で外国馬は参戦もできず、馬主や調教師らに湧き上がった「日本競馬を守る」という使命感――。
そんな中でのアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトによる“三冠馬・三強対決”の実現は、まさに形骸化しつつあった「世界一最強馬決定戦」というジャパンカップの本来あるべき姿のようにも見えました。

特にコントレイルは菊花賞からのローテーションがタイトであり、無理して出走させなくても良かったはずなんです。翌年春の不調も、このジャパンカップの疲れが残っていたからかもしれません。
だからこそ思うのです。
2021年のジャパンカップは2020年の“続編”だったと。ノーザンファームの刺客、シャフリヤールとオーソリティを圧倒したコントレイルの勝利は、2020年の競馬界を大いに盛り上げた神からのこ褒美、“天啓”でしょう。
2020年と2021年のジャパンカップは、コロナ禍に揺れ動く日本社会の危機感を投影して、皮肉にも感動の名レースとなりました。それでは、2019年同様に凡庸な出走メンバーで争われる今年のジャパンカップは、レースもやはり凡庸に終わるのかーー。
…待ってくれ。まだ世の中はコロナ禍じゃなかったのか?コロナ禍が3年続いているように、このジャパンカップも実は2020年から3年続いている物語だったとしたら…。
■ジャパンカップ《GI》予想■
◎デアリングタクト 〇シャフリヤール ▲ヴェラアズール
⭐︎カラテ △ダノンベルーガ2020年の三冠馬対決・最後の現役メンバー。あの時、日本競馬を盛り上げてくれた御礼として“天啓”が舞い降りるとすれば、前走のエリザベス女王杯ではなく、今回のジャパンカップのはずです。“コロナ禍の三冠馬物語”はデアリングタクトの勝利で見事に完結し、社会がコロナ禍から脱した来年のジャパンカップから、新たな物語がスタートするーー。
…ほとんど妄想ではありますが、故障明けの4戦にもすべて負けた理由が考えられ、あながち無理な予想だとも思わないんですよね。
ヴィクトリアマイル→距離不足
宝塚記念→出遅れ
オールカマー→初の中山コース(芝のバイアス)
エリザベス女王杯→重馬場(芝のバイアス)直線の長い府中コースは、少なくても前走よりはデアリングタクトにとって有利なはず。今日の雨もこれくらいならほとんど残らないでしょう。エリ女予想の時にデアリングタクトを切った理由は「勝負に日和った」と思ったから。まさかジャパンカップにも出走してくるとは思いませんでした。こうなったら、トウカイテイオー、コントレイルのような復活劇を期待しちゃいますよ。
ただし、ちょっとだけ引っかかるのは、
松山からマーカンドの乗り替わり。どんなズブい馬でも追い通す剛腕ぶりは、ポスト“デメ・ルメ”となる可能性も十分とはいえ、今回の復活ドラマのキャストに相応しいのかどうか。
なので、本来なら単勝にズドンと突っ込みたいところだけど、ここは保険の馬券も購入しておこうかと。
まともに考えれば天皇賞入着組のダノンベルーガとシャフリヤールということになるんでしょうが、前者は距離に不安があり、後者はすでにピークが過ぎた感も。ならばここは京都大賞典で鮮やかな差し切りを見せたヴェラアズール。阪神2400mの稍重馬場で、いかにスローペースとはいえ上がり33.2秒の脚が使えるというのは、並大抵の馬ではありません。名手ムーアの鞍上も加味すれば、この上位人気もうなずけます。
☆はカラテ。天皇賞はパンサラッサの逃げこそハイペースだったものの、2番手以下はスローペースに近く、実質的には上がり勝負で切れ負けした印象。追い切りもかなり好調なようですし、府中2400mで前走と違った展開なら連対も? ベタな話ではあるけども、ジャパンカップの歴史に“カラテ”の名が刻まれるとしたらなかなか痛快ですw
単勝 ⑧
馬連 ⑥⑧-⑥⑧⑪⑭⑮(7点)
人気どころも絡めるなら、馬連はこの点数に留めておこうかと。
* * * * * * * * *
さて、このブログで何度も引き合いに出す故・清水成駿さんですが、今回のジャパンカップならどんな予想を立てていたでしょうか。
「JRAも国際厩舎を新設したし、わざわざこのコロナ禍で乗り込んで来た外国馬は本気だ」
…こんな感じ?
シンプルに考えれば、外国馬の近走勝利がすべて欧州馬場での稍重~重ばかりで、血統的にも今の日本の高速馬場に対応できるかどうかは未知数。なので自分は“全切り”とさせていただきました。来たら素直に「仕方ないね」で諦めます。
ちなみにオネストはフランケル産駒で、確かにフランケル産駒は日本でも活躍しているのですが、7年間でフランケル産駒が勝った48勝中、2400m以上はなんと1勝のみ。日本でのフランケル産駒は1200m~1800mが主戦場で、実はオネストも罠なんじゃないかと思ってます。ルメールもただフランスの馬だから乗ってるだけでしょうしw
今年の3歳馬というのはこのコロナ禍の渦中に育成された世代であり、実は世界の競馬マーケットは低迷している可能性はないでしょうか。日本のように競馬開催が継続できて、収益の確保に成功した国はまれであり、それがジャパンカップにも反映される――そんな内容の予想コラムの方が故・清水成駿さんらしい気もするんですが、どうでしょうか。
…なんか気合いが入り過ぎてしまったせいか、すっかり内容がまとまらないw
とにかく。今年も「感動のジャパンカップ」が観戦できることを心より祈りつつ…。
当方の予想を参考にしてハズれても、責任は一切取りませーん!
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