先日、Twitterを見ていたら、こんなまとめサイト記事がTLで流れてきました。
【クイズ】麻雀漫画の牌の描写で作品当てしようぜwwww http://onecall2ch.com/archives/7363897.html この記事を見て、思い出したことがいくつかあって。
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自分が編集部にいた頃、麻雀牌の描き方について、先輩編集に言われたアドバイスがありました。
「作家さんには、極力自分で麻雀牌を描いてもらうようにしろよ。麻雀牌も自分の作品のキャラクターだと思って描いてもらえ」 上記に挙げたような記事が話題になるのを見ると、改めてその時の上司のアドバイスって正しかったんだなぁ…と。
ただ、それから何年かした後に。
編集部に入ってきたばかりの後輩に、ドヤ顔で同じことをアドバイスしたら、
「は?別に本当の麻雀牌をコピーして加工すりゃいいんじゃね?」 とか言われちゃって、
(#゚Д゚)ムッキャー! と半ギレしたこともあるんですけどねw
今だと麻雀牌をスキャナーに取り込んで、デジタル処理して作品にコピペするのが普通なんですかね?
ただ、個人的には、それってやっぱり無機的な気もするんです。
(逆に、TVアニメで使われる麻雀牌のCG加工はあまり気にならないんだけど)
せめて、自分で描いた麻雀牌をあらかじめスキャニングしておいて、それをコピペして使う感じにして欲しいですね。
上記の記事で挙げられてる作家さんって、ほとんどその手法なんじゃないでしょうか。
ちなみに、ある程度クラスの作家さんの場合、麻雀牌はアシスタントさんが描くことが多いのですが、その麻雀牌担当のアシさんが辞めちゃったりすると、さあ大変。
麻雀牌ってかなりその人のクセが出るので、違うアシさんが描くことで作品の麻雀牌がガラッと変わってしまい、世界観自体が変わってしまう…なんてこともw
昔、「ありゃ馬こりゃ馬」の連載当時、故・土田世紀さんのアシスタントをされていた某作家さんから、
某さん「土田さん、馬を描く専門のアシさんがいたんですけど、その方が辞めちゃってエラいことになっちゃってるんですよ」
自分「あー、さすがに土田先生自身が描いてたんじゃないんですね」
某さん「もちろん時間があれば描けるけど、お馬さんの関節って人間とは全然違うんで、描くのがスゴい大変なんですよねー。今、土田さん泣いてますよ(笑)」…なんて話を聞いたんですが、麻雀牌の描き方にも、そんな重要なポイントがいくつかあるようでして。
自分がひとつ聞いたのは、
麻雀牌を描くのに、重要なポイントのひとつは、「彫り」。 模様をそのまま描いてしまうと、牌にシールで模様を貼ったみたいになってしまうんですね。
ちゃんと「彫り」も綿密に描いて、デジタル加工する際にも「彫り」に応じてハイライトを入れたりすると、なかなか「魂」の入った麻雀牌になるんだとか。
『近代麻雀』に作品を持ち込みたい方は、ぜひお試しをw
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ところで。
自分の編集時代は95年~06年まででしたが、その頃の麻雀マンガは主要場面以外の牌姿はコピーを貼るのが主流でした。
中には、完成した原稿の牌姿がすべて白紙の作品もあって、自分たちバイトが実際の麻雀牌をコピーしてペタペタ貼るのも、校了前の日常のできごとだったり。
でも、編集部には「フリテンくん麻雀牌」とかも混ざってるから、バイトがわけもわからずコピーしたら、イーピンの模様が「フリテンくん」の顔で、しかもその原稿が校了をスルーしちゃって、ドドーンと誌面に掲載されちゃったことも!www 牌のイラスト自体を編集部の人間に描かしてた某作家さんもいましたねー。
ただ、この作家さんは元編集部の人間なんで、編集部に漫研出身の後輩がいることも知っていて、サークル感覚というか、お互い納得づくでやっていたワケなんですが。
(こう書くと、だいたいわかる人はわかるw)
似たような理由で、大変なのが
赤ウーピン。
編集部では作画資料として、作家さんに麻雀牌を送っているのですが、その赤ウーピンには、麻雀牌を製作した会社のマークが入ってたりするんです。
あまり麻雀を知らない作家さんの場合、ウーピンと赤ウーピンの違いがよくわからないので、その会社のマークを入れたままコピー(もしくは作画)しちゃったり。
最近、Twitter上では色弱の方へのバリアフリーで、赤ウーピンのデザインを変更しようなんてお話が出てきていますが、実際マンガでも赤ウーピンを描き分けるのって大変なんですよね。
薄いトーンで処理をしようにも、印刷や紙の色によって区別ができなかったり…。
出版界を代表して言わせてもらえれば、自分も赤ウーピンのデザインは「ポッチ」をつけてもらうなどして、規定のデザインに変更して欲しいなぁ…なんてw
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たまにはアホみたいにバクチやアイドルの話ばかり投下するだけじゃなくて、元編集らしい話も少しは書いておかないとね^^;
バイバイキーン。
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