さて。プロレスに興味のない方はまずそのまま静かにページを閉じてもらうとしてw 今年も「ネットプロレス大賞2022」にエントリーさせてもらいます。
いつも書いておりますが、「ネットプロレス大賞」の主宰である杉さんと自分は「週刊プロレス常連投稿会プレッシャー」に入会していた時からの友人関係で、今でもたまにプロレス観戦をご一緒している仲です。
「プレッシャー」というのは、簡単に言えば当時の『週刊プロレス』記事のページ横にあるスペースに短いコラムを連載していた、雑誌のファンクラブ的な団体です。メンバーはプロレスに関する思い思いのコラムを書いて投稿して、そのうち数本が本誌で掲載されていました。
当時は2週間に5本というのがノルマで、自分の場合はそのうち1本でも載ればマシな方。常連というよりは“準”常連といった感じ。それに比べて杉さんは入会時から毎週何本も掲載されていて、当時からプロレスに対する洞察力とか、ネタの作り方も上手な方でした。まさか30年以上も一緒にプロレス観戦するとか、当時は想像すらしていませんでしたねぇ…w
投票の前に、参考のため自分の2022年生観戦回数を明かすと、新日、全日、ZERO-1、みちのくが各2回、新日&NOAH、根室が各1回で計10回。昨年の観戦数は12回。コロナ禍前には15回という年もありましたが、昨年頭のブチギレ横アリ観戦記にも書いた通り、新日の観戦を意図的に減らしたので、プロレス自体の観戦数も少し減ってしまいました。ちなみにRIZINと藤原だらけ興行wに各1回行っているので、格闘技観戦となるとライブは計12回。これも過去10年では最低な気がします。
その分、坂道グループ(乃木坂・櫻坂・日向坂)ライブに行く機会が増えに増えて、数えてみたらなんと19回だってwww 席が当たったり、会社の上司から誘われたりとラッキーが続いたのも事実だけど、まさか格闘技よりも現地着弾数の逆転する年が来るとは…。
坂道の話はおいといてw まあそんな感じで、新日に関しては情報を追いかけたりとか、テレビでの視聴もしていますが、以前よりも熱を持っていないんですよね。
それに決定的だったのが「Dropkick」での『週刊ゴング』元編集長・小佐野景浩氏のインタビュー。
「人気商売だから実際問題としてそういう評価の仕方(注:今回であれば新日偏向)は出てくるよ。それは忖度ではないでしょ。だって業界に利益をもたらしてくれてるってことは必要なことだもん」
この発言を読んで吐き気がしましたw わかっちゃいるけど、そんな話を表に出しちゃダメでしょ。それならもう対象団体は新日オンリーでやればいいじゃないか、と。ウソでも「賞」と名のつくものは、内容が評価されるものじゃなきゃ意味がないでしょうに。確かにそれは「忖度」ではなくて「エコひいき」ってヤツで。まったく…。
というわけで、自分もどうせロクに見てないし、そういう評価の仕方がありなら、プロレスファンとして、今年はいっさい新日本プロレス関連に票を投じるのはやめにします。まあ、こんな意思表示もファン投票としてはありかと。それを踏まえた上で、下記投票をご覧ください。
◆MVP◆
1位:清宮海斗
2位:イヨ・スカイ
3位:宮原健斗 清宮は年初こそオカダの意味不明なディスりで価値を下げられたものの、7月には武藤に勝利して、武藤プロレスの正統な後継者となりました(実際にどうかはまた別として)。試合内容も安定してきており、文句なしのMVPと言ってしまいます。
イヨ・スカイはすっかりWWEのメインロースターになったことを評価。以前のASUKAを投票した際にも書きましたが、世界のWWEで主役を張るというのは本当にスゴいこと。RAW昇格からわずか1ヶ月でWWE女子タッグ奪取というのもとんでもないことなのに、ちょっと世間の評価は低いのでは。
宮原も試合の安定度はプロレス界随一。ジェイク・リーに三冠を奪われた後も短期間で奪還しており、すっかり全日本のエースとして定着した感じ。今年は鈴木みのるや土井成樹の参戦など、実績のあるレスラーたちとの防衛戦が予想され、その真価が問われることになりそう。
武藤や竹下も迷ったんですが、この二人は今年のMVPになる可能性があるので、ここでは次点ということで。竹下はAEWでどこまでメインストーリーに絡んでいけますかねー。
◆最優秀試合◆
1位:MUSASHIvsフジタ“Jr.”ハヤト(7.1みちのく 後楽園)
2位:青柳優馬vsジェット・リー(5.4全日本 後楽園)
3位:清宮海斗vs武藤敬司(7.16 NOAH 武道館)正直、試合レベルは一定に達しながらも、胸躍る試合が今年は多くなかったのですが、その中でもハヤトの復帰試合は観戦していて涙腺が緩みました。ハヤトまさかの戴冠劇。対戦相手だったMUSASHIや、復帰までを見守ってきた新崎人生の気持ちも想像してしまうともう…(涙)。感情移入できた試合として、ぶっちぎりの1位です。
チャンカン決勝のカードは、内容はもちろん、青柳の最年少優勝という結果に驚きました。GWに名古屋で宮原vs青柳という好カードも生観戦しているのですが、宮原同様、青柳(なんなら弟も)というのは今の全日本の財産ですね。今年の活躍にも期待しちゃいます。
ここから先はコメントは省略で。あまりコメントできるような感想がない…。
◆最優秀タッグチーム◆
1位:杉浦軍
2位:宮原健斗&野村卓矢
3位:斉藤ブラザーズ◆新人賞◆
1位:安齊勇馬
2位:AMAKUSA
3位:井上凌◆最優秀興行◆
1位:7.1みちのく後楽園
2位:1.1NOAH日本武道館
3位:5.4全日本 後楽園 ◆最優秀団体◆
1位:NOAH
2位:全日本
3位:DDT◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:東京スポーツ
2位:KAMINOGE
3位:週刊プロレス* * * * * * * *
書いていて、今年はもう少し真面目にプロレスを見ようと思いましたw 新日本も面白そうなカードに関してのみ、絞って生観戦しようかと。
ただ、今のオカダがIWGP王者になるのがホント嫌です。猪木の真似したポーズもイカルス星人みたいでクソかっこ悪かったしw まあドームは勝っちゃうんだろうけどさぁ…。
以上、今年も長々と失礼いたしました!
スポンサーサイト
「ネットプロレス大賞」以外ではたぶん10年ぶりくらいだと思うんですが、プロレスの話題を。
先日、1/8に横浜アリーナで開催された新日本プロレスとNOAHの対抗戦を観戦したわけなんですが。

まあ、新日の主催興行ということで、どうなるのかなぁと思ったら、特にサプライズもなくメインもセミも新日側の勝利で。それは別にそういうもんかってくらいなんですが、その後のオカダ・カズチカや田口など、選手の態度が酷すぎて、ちょっと呆れちゃったんですな。
「プロレス的なヤツでしょ?」というかもしれませんが…自分はそうも思えないんですよね。つまるところ、彼らもビジネスなんで、自分たちがを常に上に見せておきたいんでしょうが、そのやり方が今の時代にまったくそぐわない。
だいたい、今の完全にエンタメ化した新日が、技術や基礎について他団体に対して上から目線で物を言う…こんな恥ずかしいことってありますか?
グラウンドの技術のこと? 受け身の技術? 相手をケガさせないようにする技術?
プロレスが格闘技とは別枠と知れた時点で、試合前ならともかく、試合後にこんなことを語るレスラーがいまだにいるとは…
「ネットプロレス大賞」の投票にも書きましたが、昨年についてはNOAHの生観戦数は0です。そんな自分が言うのもなんですが、今回の対抗戦で新日をしばらく生観戦するのはやめようと思うくらいです。
久しぶりに全試合の感想を書きながら、いろいろとハチャメチャ書いていこうと思います。対抗戦で傷ついてるNOAHファンの方は、この記事で留飲を下げてください。逆に、最近の新日ファンは絶対読まないことをおすすめしますw あと、いろいろ想像(?)の部分で書いてる部分も出てきますが、とりあえず大目に見てもらい…ダメ?w
若手の試合は最高だったけど…
第0-1試合 △藤田晃生vs矢野安崇△純粋にいい試合でした。藤田はキャリア5ヶ月弱、矢野は1年ちょっとですか。キャリアの差なのかもしれませんが、とにかく序盤の矢野のグラウンド技術は相当立派なもの。終盤、藤田は打点の高いドロップキックを何発も放ち、逆エビで追い込んだところで時間切れとなったわけですが…。新日主催の興行だからこの展開というよりも、新日とNOAH(というか全日系)の若手の育て方の違いが如実に出ていたような気がします。攻めの新日と受けのNOAH。それでも個人的には矢野のグラウンドの強さ、身体の「厚み」に本物を感じました。
第0-2試合 ○永田・小島・天山vs齋藤・ヨネ・タニー✕半分「悪役商会」化しているファンキー軍との試合で、しかも以前の交流時代に何度か対戦もしてるであろうことを考えると、第三世代にはちょっと気の毒というか…w ただ、ファンキー軍って、バックボーンを考えたらヨネやタニーもガチではかなり強いはずなんですけどねぇ。まあ、この試合の感想はそんな感じで^^;
第1試合 ワト・田口・○YOSHI-HASHI・後藤・石井vs岡田✕・稲村・稲葉・大原・原田当然、今NOAHで絶賛売り出し中の石井と稲村の攻防がメインに書くべきなんでしょうが、個人的にはNOAH軍の他の4人の動きの良さにも感心しました。おそらくちょっと古い新日ファンなら「あれ?今のNOAHってこんなにいい選手いるの?」って驚いたんじゃないでしょうか。だいたい、岡田とかキャリアわずか3年強ですよ? それであの動きですからね。
それにしても、こういう時にYOSHI-HASHIに勝たせるというのは、普段の「白星配給係」という仕事の労いみたいなもんなんでしょうか…w
第2試合 ○SHOvs小峠✕ホントにバカにしてるとしか思えない試合でした…SHOに対抗戦スキルを積ませるつもりがないんですかね? レフリー暴行とか不透明決着の多さに辟易して、一般の新日本ファンが離れていってる現状が相変わらずわかってないんですねぇ…。しかもそれを対抗戦でもやってしまうというセンスのなさ。この試合見て、「おお、SHOってカッコいいな」なんて思うNOAHファンがいたと思います?
今回YOHも温存したりしてますし、次代のエース(?)SHOとYOHは本リングでの抗争に集中させたいのが本音なんでしょうね。そんなことも差し置いてNOAHは選手を派遣してるっていうのに! あー、バカバカしい。
X=矢野という悪手
第3試合 ✕外道・石森vs吉岡・HAYATA石森と外道という、新日としては吉岡・HAYATAを立てるカードとして用意したのが見え見えというか…。それでも、吉岡やHAYATEの動きはいつもの通り素晴らしく、石森も元NOAHとして立派に技を受け切って役割を全うしました。少なくてもこの試合も、第1試合同様、新日ファンを驚かせた試合だったと思います。
第4試合 DOUKI・○デスペvs論外✕・YO-HEY第3試合と同じようなシチュエーションかと思えば、NOSAWA論外という、メキシコにいた選手にとっては文字通り神様のような選手が入ったことで、あとでデスペ自体も「対抗戦ではない」と告白した不思議な試合w デスペはYO-HEYにも好感のコメントを残しているし、さすが苦労人はいろいろわかってるな、と。YO-HEYとデスペとのシングルは見たいけど、後述しますが継続参戦とかはやめてほしいですね。
第5試合 ✕TAKA・みのる・タイチvs矢野・桜庭・杉浦○まあ、みんな矢野が杉浦軍の「X」だったことで、対抗戦ムードがどっちらけになったことは言うまでもないですよね。しかも、この矢野の杉浦軍参戦で、この興行があくまで新日本主催で、NOAH側に打診してフリーの選手を呼んでもらう「経費」がないってことに改めて気づいちゃうわけですよ…。これならタイチ休ませて、タッグマッチでやった方がナンボもマシだったというか。
てか、あの棚橋vsKENTAのドームの試合自体がおかしいんですよ。なんなんですか、あのでっかいラダーは? しかも、ラダーを下で抑える役の人間もいなかったから股関節もやられたわけでしょ? KENTA、これでヘタしたら1年くらい試合復帰できませんよ。ちゃんと新日は年俸分と治療費を賄ってくれるんですかね? 棚橋だって、あんな高いところからのボディプレスとか、ますます膝を悪くしちゃいますよ。
高所ダイブといえば、WWEのシェーン・マクマホンが知られてますが、そのダイブだって必ずテーブルを敷きますよ。テーブルを置いて割れやすくすることで、衝撃を軽減するわけです。どんな経緯であんな試合になるのかがわからない。以前、飯伏の2階席からのケブラーダが物議を醸しましたが、それよりも問題だと思います。
そんな憤りもあった上で、このカード変更ですからね…。いい加減にしろと言いたいですよ。まあ、それとは別に、以前のような打撃戦を展開するみのると杉浦は素晴らしいと思いました。
「団体対抗戦」ではない「対抗戦」の意義
第6試合 ✕東郷・EVILvs北宮・潮崎○これも第2試合と感想は同じですね。対抗戦でなんなの、この展開は!? …ってヤツです。しかもEVILが潮崎の技をほとんど受けないもんだから、潮崎のチョップを受けるのは主に東郷という…。いや、EVILなんかホントは受け身も上手くて、普通に試合させたらすげえ評価の上がる選手だと思うんですけどね。つくづくバカな使い方をしたもんだと思います。
…あ、北宮の動きもかなりよかったですね。監獄固めでEVILの動きを封じたのは隠れたハイライトでした。
第7試合 ✕金丸・ザックvs小川・丸藤○これは対抗戦じゃなくて「同窓会マッチ」ですね。ザックと小川がNOAH在籍当時と同じ攻防をして、新日本で見せているような動きができなかったところに、相変わらずの小川の「カタさ」を感じましたw 対抗戦となると相手のスタイルに合わせる選手の多いNOAHですが、小川だけは別格なんですよね。とにかく合わせない。今回のような対抗戦では本当に頼もしい選手だと思います。そのせいもあってか、金丸と丸藤の攻防がメインとなって、金丸の実力が改めて示されたのが面白かったですね。「金丸先輩はこうやって活かすんだよ」という主張が丸藤から聞こえてくるようでした。
第8試合 BUSHI・ヒロム・SANADA・内藤・○鷹木vs亜烈破・✕タダスケ・征矢・拳王・中嶋注目の対抗戦、ロスインゴvs金剛なんですけど…対抗戦と言いつつ、団体に最初から所属していたレスラーって、ヒロムと内藤しかいないんですよw なんなら一番多いのが全日出身の3人だとか、もうなにがなんだかw でも、この試合がなぜこんなベストバウトになったかといえば、そういう新日・NOAH関係ない選手たちが戦ったからなんですよね。田口の「個々のレベルが…」なんて発言が、どこまで的外れなのかがわかるってもんです(失笑)。だいたい、そんな技術うんぬん言うんだったら、ロスインゴで中嶋のキックを何人が受けたんですかね? ハードヒットが売りの選手たちの戦い方を制限しておいて、レベルや基礎を語ってるんじゃないって話ですよ。
ただ、今回は内藤選手のコメントに変な意味で感心したんですよね。特に「清宮選手のような20代のヘビー級のトップの選手が新日本にはいない」と言ったのはかなりキーワードな話で。
要はこの対抗戦もその「トップのヘビー級選手不足」を将来的に賄いたいという、完全に新日本の独善に満ちた部分があるわけです。先ほどから書いてきたNOAHのいい選手というのは、新日本にとってもいい選手なわけで、別に対抗戦じゃなくていいから新日本のマットに上げて、継続参戦させた上で新日本プロレスのスターにしたいわけですよ。飯伏や鷹木のように。
しかもNOAHは以前、新日本や鈴木軍と提携を行った結果、新日選手を勝たせるシナリオを横行させ、所属選手のヒエラルキーが崩壊。団体として「生きる屍」となった時期がありました。あの時、無理にでも提携をやめていなければ、新日本プロレスの「第2グループ」としてでしか存続できなくなった可能性があるのです。WWEのRAWとSMACK DOWNのような。
そんなことまでされてるんだから、本当は新日本と対抗戦なんてやること自体、NOAHにとっては意味がないんです。それでもやるのは、ABEMAのPPV戦略の問題が大きいんでしょう。
メインが好試合とならなかったいくつかの理由
第9試合 ○オカダ・棚橋vs武藤・清宮✕…さて、まあここまで書けば、メインを自分がどう書くかはわかると思いますがw
厳密に言えば、そこまでひどい試合だったわけでもないんです。ただ、武藤はさすがにもう若い時と同じ動きはできず、「間合い」で魅せる選手です。だが、オカダも棚橋も、武藤のじっくりしたレスリングには一切つき合わなかった。予想はできたことではあるんですが、これならいっそ、清宮は潮崎や丸藤と組ませて戦わせた方が、NOAHにとってもう少しいい印象が残せたと思います。まあ、後の祭りですが。
てか、棚橋あたりが昔から売り出し中の若手選手と試合をするのが下手だとは昔から思ってましたが、今はオカダもそうなんですね。エンタメプロレスの弊害というか、若手選手がもっとも得をする「叩き潰し方」を知らない。石井とかみのるとか、なんなら昔の柴田とか見てたらわかりそうなもんなんですが。
ただ、自分が心底オカダのことが嫌いになったのはその後なんですよね。
古いファンならご存じだと思いますが、今から12年半前、若手時代の岡田かずちかが潮崎とシングルで試合をしています。当時は潮崎がゴーフラッシャーで完勝。その後、潮崎がどうしたかといえば、「泣いてんじゃねぇ!」なんて暴言はもちろん吐かず、真摯に握手をしようと右手を差し出します。
しかし、岡田はその手を握らず潮崎に張り手!怒った潮崎はすぐに張り手をやり返してノックアウトされるわけですが…。
そこで何か恨みでもあったのか、マイクではNOAHのファンにも感謝の挨拶をしていたし、後から清宮を讃えるかと思ったら、試合後の記者会見では「僕が言うとちょっとひどいことに」「あれじゃ客を持って帰れない」「悔しいなら新日本で武者修行しろ」…。
先述で自分が書いてきたことをみたら、自分がなんで怒ってるかを理解してもらえると思います。
だいたい「客を持って帰れない」と言いましたが、対抗戦になってまでヒールファイトを繰り返したり、NOAHのハードヒットな攻めをまったく受けない新日本側の選手を見て、NOAHファンで来場していたお客が、これからも新日本に来てみようと思ったでしょうか。ロスインゴの試合くらいは満足できたでしょうが、それくらいなもんでしょう。
逆に、NOAH側では新日本側にはない魅力にあふれた選手が、大いに力を発揮しました。少なくても自分は、新日本プロレスの観戦を少なくして、NOAHの観戦に行こうと思ったんですが、意外とそんなファンの方が多いんじゃないでしょうか。これだけ新日本ファンが減ったのは、コロナ禍で我慢して見ているところで、レフリー失神や乱入が繰り返されて試合の決まる、出来の悪いエンタメプロレスを見せられたからです。今さらオカダがエースに戻ったからって、別に同じような相手としかやらないわけでしょうし。もしそれでもプロレスを見るのが好きだとしたら、なにか新しいことをやってくれそうな団体の方に移っていくのが道理だと思うんですがねぇ。
「清宮を新日で武者修行」とか、苦しい台所事情を自分で白状してるようなもんでしょ。
オカダがプロレスの天才であることは認めます。しかし、それは「今の」プロレスの天才であって、ちゃんと今風のセンスのあるコメントが必要なんです。こういう対抗戦でかつての武藤のような名言が残せないオカダに、心底ガッカリしました。
NOAHが対抗戦以外でメジャーになる方法
東スポ紙上でNOAHの武田取締役はしばらく対抗戦はやらないようなコメントを残していて、ちょっとホッとしました。それでも何人かの選手交流は出てくるかもしれませんが、個人的にはそれもあまり深入りしない方がいいと思います。過去の新日本プロレスのやり方を見れば一目瞭然なので。
むしろ今のNOAHは、コロナ禍の明けた後には海外に向けてどんどん選手派遣をしていくべきです。
AEWでみのるや石井に声援が集まるのは、AEWのようなコアなファンが集まる場所では、かつての「ジャパニーズスタイル」のレスラーが待望とされているからです。WWEと同じプロレスをするレスラーはいらないんです。
その上で言えば、NOAHの選手はハードヒットの選手が多く、見事に合致します。もしABEMAがNOAHのさらなるPPV戦略を進めるのであれば、AEWと提携した上でイベントを企画することをおすすめします。そこにDDTの選手を絡めるのもいいでしょう。ジョン・モクスリーやクリス・ジェリコは無理でも、ダニエル・ブライアンやブリスコ兄弟あたりは過去の流れから呼ぶことも可能でしょう。
今の新日本にはできないことが、NOAHにはできます。試合のレベルというものが何を指すかは自分にはわかりませんが、NOAHの試合が新日本に劣ってるとは思えません…てか、それは全日でもDDTでも大日でもみちのくでもZERO-1でも変わりません。NOAHはせっかく上がってきた再浮上のチャンスを逃さず、麻雀のMリーグ同様にABEMAさんから金銭的なバックアップを受けて、対抗戦とは無縁な活動をしていくべきだと思います。
以上! 毎度のことながら長文失礼いたしました。
はー、ようやく思いのまま書いてやった。
新日本プロレスファンの皆さんには勘弁ね。だけどね、今までの経緯からこれって、ファンからしたらもはやもう勘弁ならないんですよ。
というわけで。もう朝だよ…おやすみなさいw
というわけで。Twitterでも予告していました通り、今年も「ネットプロレス大賞2021」にエントリーさせてもらいます。
「ネットプロレス大賞」の主宰である杉さんとのつながりは
こちらをどうぞ。毎年書いているんですが、「近代麻雀」で自分を知ったプロレスや格闘技のファンは、杉さんをはじめとした有名なプロレスファンや関係者と絡んでるところを見て、不思議に思ってる人が結構いらっしゃるみたいなんで…w
さて、2021年の生観戦回数ですが。なんと新日が昨年よりほぼ倍増の7回、みちのくが3回、ZERO-1、全日本が各1回で、計12回でした。昨年の観戦数は7回、一昨年が15回なんで、緊急事態宣言が出たりしてた割には見に行けた方だと思います。ちなみにRIZINは4回行ってるんで、格闘技観戦となるとライブは計16回ということになります。
ただ、昨年3回行っていた地方観戦は0回(RIZINで1回)。新日以外の団体はすべて後楽園と靖国、新日は武道館とスタジアム興行がほとんどで、それ以外では地元興行だったので出かけたさいたま大会1回だけでした。まんまと「スタジアム興行は見ておかないと」みたいなプレミアム感にダマされた感じがしますwww
昨年、このネットプロレス大賞のブログの中で、自分は「無観客開催によって、プロレスのエンタメ演出がわざとらしくみえるようになった」と書きました。2021年は有観客開催が増えて、その辺が是正されたんでしょうか? 実はその流れから、昨年になってファン意識がまたかなり変わってきたと思っています。
その辺の話を絡めつつ、投票の話をしていきたいと思います。今ごろですが、ホント今回はプロレスのディープな話だけなんで、例年通り、知らない人はそっとスマホのボタンを押して消してくださいw
◆MVP◆
1位:武藤敬司
2位:鷹木信悟
3位:ザック・セイバーJr.◆最優秀試合◆
1位:潮崎豪vs武藤敬司(2.12NOAH 日本武道館)
2位:B・ダニエルソンvs鈴木みのる(10.15AEW)
3位:棚橋弘至vs飯伏幸太(9.4新日本 Lドーム)恐らく、コロナ禍を通して長くプロレスを見てきているファンの意識を「変えた」のが、潮崎vs武藤の武道館だったんじゃないかと思ってます。
何かといえば、ファンの「感情移入」のところなんですよね。先ほど「エンタメ演出に飽きたファン」の話を書きましたが、その中でこの試合を見た人たちは、自分たちが「なぜプロレスを見ているのか」ということを思い出したんではないでしょうか。
「感情移入ができる」ということは、「リアルを感じる」ということです。エンタメ化したプロレスでも、我々ファンはリアルを見たい。それをあの潮崎戦で懸命に闘う58歳の武藤の姿を見て、はっきりと気付いてしまった。あの時は未遂に終わってしまいましたが、ムーンサルトプレスを繰り出すため、武道館の天井を背景にコーナートップに昇っていたあの場面は、プロレス界でもここ数年で屈指の名シーンだったと思います。
正直、自分のキャリアをそのままファンを感情移入させるのは、若きエースレスラーからするとズルく見えてしまうでしょう。しかし、あそこまでの芸術的な「プロレス」の形を、年齢を経たレスラーであれば誰でも作りあげることなんかできません。そして、あの試合以降、ワンパターンに繰り広げられる(ぶっちゃけ新日に多い)サーカスプロレスに嫌気がさしたファンも多いと思うのです。
NOAHの躍進というのは、中嶋や拳王、杉浦に代表されるような「ハードヒット」なスタイルが再評価されている部分も大きいと思います。それはエンタメ化したプロレスの「カウンター」であって、リアルな「痛み」を共有したいという、ファンの願望でもあります。
MVPとベストバウト、全自分の中で満票の1位を与えたいと思います。
MVP2位に鷹木、3位にザック。おそらく2021年、もっともフロントの期待に応え、名勝負を生み出したのはこの2人でしょう。しかし、なぜこの2人が新日本プロレスファンの評価がなかなか上がらないかといえば、それは上記に上げたような、ファンの記憶に残る「ドラマ」の部分が薄いからです。結局のところ、鷹木はドラゴンゲートからフリーまでの歴史、ザックはNOAHでの歴史を、新日本からは表立ってフューチャーできないという弱点があるのです(これは実は飯伏も同じ)。
コロナ禍でのエースレスラーの「代用」で抜擢されてしまっている二人に、果たしてリアルなドラマを求め始めたファンに感情移入ができるでしょうか?(あくまで新日本のファン…ってことでですが)。彼らをアピールすべきPR戦略をまるで果たしていない。そんな意味でも逆にこの二人を2位と3位にしました。
自分はまったく興味がわかないんですが(おいおい)、ヒロムとYOHの試合がファンに評価されるのは、二人が新日本道場からの生え抜きレスラーである…という事実もあってのものだと思います。
ちなみに、ベストバウト3位の棚橋vs飯伏戦は、そんなチグハグなエンタメプロレスを続ける路線の中で、誤嚥性肺炎を克服した飯伏の復帰戦という、リアルなドラマが胸に響いた好勝負でした。誤嚥性肺炎は、呼吸を調整しなければいけないアスリートにとっては、致命的な病気になりかねません。そこに、様々な因縁を持つ飯伏が胸を貸すということで、感動を与えた試合になったと思います。まあ、本格的に飯伏にドラマ性を与えたいのなら、自分は早くAEWへと上がれるようにフロントが交渉すべきだと思いますけどね…。
で、ベストバウト2位のダニエルソンvsみのる。実は「リアル」な部分を求めているのは、日本のファンだけではないと思っていて。海外のファンは、WWEとおんなじような試合をしている日本人レスラーをまったく求めていません。かつてのUスタイルやNOAHのハードヒット路線のバチバチスタイルの試合をマニアは渇望しています。それを再確認できた一戦でした。
話がズレるかもしれませんが、ABEMAさんはまずいち早く、NOAHの試合を見れるようなアーカイブサービスを海外で始めた方がいいと思いますよ。頭打ちとなった今の新日本ワールドよりも、絶対ビジネスチャンスになるはずです。まあ、その辺はさすがに高木社長も動いてると思うんですが…。
さて、今年はもう書きたいことを書いたので、あとの投票はサラッと流して。
◆最優秀タッグチーム◆
1位:タイチ&ザック・セイバーJr.
2位:バラモン兄弟
3位:内藤哲也&SANADA◆新人賞◆
1位:荒井優希
2位:青柳亮生
3位:田村ハヤト◆最優秀興行◆
1位:2.12NOAH日本武道館
2位:3.3スターダム日本武道館
3位:9.1まっする5後楽園最優秀興行の2位と3位にだけ触れておきましょうか。
2位のスターダム。初の武道館興行ということでABEMAで拝見したんですが、あまり女子プロレスを見ない自分も思わずハマりそうになったというか。メインの髪切りマッチでのジュリアの美しさとか、ちょっとゾワッと来ました。本当は昨年、一度生観戦しようかと思ったんですが、時間の関係であきらめたんですよね。あと、チケットの購入の特殊性に壁を感じるというかw 今年はどこか大きな試合を一度見てみたいと思っています。アイドル好きだからハマっちゃったりしてねw
3位のまっする5はプロレスファンだったら誰しもが思う「もしも自分がリングに上がったら」という夢がテーマで、ちょっと胸に沁みました。声優の稲田徹さんと村田アナの試合、個人的には実は二人とも故意にヘタなロープワークをしてると思ってます。実は昔、宮村優子さんのラジオ特番でリング(たぶん全女のリング)に上がらせてもらうという貴重な体験をしたことがあってw その際、ロープワークの基本を教えてもらったことがありました。何も知らないでやると、ロープはワイヤーなんで、本当に怪我してしまう恐れがあるんですよね。二人とも基礎はある程度教えてもらっている上で、本当のプロレスラーとは「違う」という演出を入れていたんだと解釈しています。それがまた実にいいなぁ、と。
◆最優秀団体◆
1位:NOAH
2位:全日本
3位:DDTまあそんなわけで今年も新日本は圏外とさせていただきました。一番観戦してるくせに(笑)。
麻雀業界を知ってるからわかるんですが、やはりNOAHとABEMAの合体というのは、日本プロレス界の縮図を変える可能性が大いにあると思っています。しかし、そこまでにはいろいろと順番があるかと思っていて。サイバーエージェントは、確かに資金は豊富ですが、湯水のようにジャブジャブと資金を提供することはありません。おそらくブシロードの何倍も難しい。実際、高木社長も動いていると思いますが、DDTの営業戦略がそこまで大きくなってるようには見えないでしょ?
サイバーエージェントは資金にはシビアで、だからこそ間違いなく話題を呼ぶ新日本vsNOAHのPPV戦略が出てきたと思うんですが、なし崩しにこれを続ければ、間違いなく双方の団体にダメージが残ります。NOAHはむしろ、海外での映像展開がいかに魅力的かをプレゼンして、そちらで稼いでから、日本での興行スケールを上げていく方向がベターだと思いますが、果たしてどうなっていきますかねぇ。
昨年、自分はこんな「予言」(?)をしました。
今、ミュージシャンのライブって、アーカイブなしの有料配信ライブが主流なんですよね。怒る人もいるでしょうけど、新日本WORLDあたりなら月額費を少し下げる代わりに、興行を有料ライブで配信してみたらいいと思うんですよね。アーティストの中には、配信ライブのおかげでむしろ前年比より収入が上回ったなんて話もあるくらいなんですから。
(中略)
興行の収容人数が5000人以下なので守りのマッチメイクをするくらいなら、黄金カードをあえてアーカイブなしの有料配信ライブにして、どのくらいの人間が視聴するか実験してみたらいい。まさにプロレス界もこんな流れになってきましたよね。
ただし、そういったPPV戦略が「対抗戦」くらいしかないというのがちょっと…。対抗戦以外で、PPVで弾けられるような興行をどうやって創出するか? それが2022年のカギじゃないでしょうか。対抗戦オンリーでは地獄の一丁目にしかなりませんからね…。
◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:東京スポーツ
2位:KAMINOGE
3位:週刊プロレスこの部門、いろいろ自分の中でこだわりがあったんですが…もういいかなとw
映像メディアがSNSから何から色々出ていて、以前のように単発のテレビだ書籍だで「プロレス」を伝えることはなかなか難しいと思うんですね。なので、これからは定期的に刊行されてるスポーツ紙やプロレス誌に絞って投票してしまおうかと。なので、この三誌(紙)で。
* * * * * * * *
なんとなく流れで昨年は新日本ばかり見てましたが、2022年は7,8団体ほどはライブで見てみたいですね。まあ、オミクロン次第にはなると思いますが…。
昭和から見続けてきたプロレスファンはしぶといぞ~w
以上、今年も長々と失礼いたしました!
さて。今年も「ネットプロレス大賞2020」にエントリーさせてもらいます。
何度も書いてるので、この「ネットプロレス大賞」の主宰である杉さんとのつながりは
こちらを(←手抜きw)。
ちなみに2020年の生観戦回数はさすがに減って、新日が4回、NOAH、DDT、みちのくが各1回で、計7回でした。昨年の観戦数は15回なんで、半減ですね。RIZINを含めると8回。この8回のうち地方観戦が3回(RIZIN浜松、DDT名古屋、新日大阪)というw 毎年10回近く行く後楽園ホールが昨年は2回しか行ってなくて、コロナの影響で自分のプロレス観戦スタイルも変容していることに改めて気づかされるというか。
そうそう、このコロナ禍で、各プロレス団体では無観客興行が余儀なくされました。これって、興行のスタイルだけではなく、プロレスのソフト面でも大きな変化があったと思っていて。
モニター越しで今までプロレスを見てきた人たちは、“観客の声援”もパッケージでプロレスを見ていました。観客が盛り上がってるので「なんか面白そう」となるわけです。お笑い番組の“笑い屋さん”効果。これが不可能となってしまった結果、プロレスの虚構な部分がより強調して見えるようになってしまったんではないかと。
猪木引退後の新日本プロレスは、親格闘路線がアルティメットロワイヤルなど数々の失敗を経て、試合内容がアメプロ化されたところにオカダ・カズチカという救世主が登場して、人気がV字回復したわけですが。
ところが、そういったエンタメが強調される動きというのは、観客が会場にいて声援を送ることで成立していたことが、この無観客開催で白日の下にさらされてしまったような気がするのです。レスラーと観客は「共犯関係」だった…とか言うと、途端にターザン山本的になりますが^^;
はっきり書いちゃうと、無観客開催によって、プロレスのエンタメ演出がわざとらしくみえるようになってしまった。
昨年後半から制限付きの有観客開催が解禁しましたが、声援禁止で拍手しか流れない会場では、状況はほぼ変わっていないように思えます。そんな「新しい生活様式」下のプロレスも半年が経過して、団体ごとで取り組み方が分かれてきたような…それを説明していく形で、今年の自分の投票を紹介していきたいと思います。
◆MVP◆
1位:ASUKA
2位:潮崎豪
3位:KENTAついに1位にしちゃいました、ASUKA。
だって当然でしょ? 世界のWWEで女性選手としての2人目のグランドスラム(RAW・SD・NXT・タッグの全王座獲得)達成ですよ? それもフロックでの王者ではなくて、妊娠で離脱したエースのベッキー・リンチの留守を預かる形で、WWEの女子部門をストーリーラインの主役としてリード。これがどれだけ凄いことかは、中邑がなかなか第一線で活躍させてもらえない現実を見ればわかります。日本人の「ジョシプロ」レスラーということで得している部分もあるとはいえ、あまりにも評価が低すぎる。今年、個人的にはブッチギリの1位として挙げさせてもらいます。
2位はNOAHの潮崎。今年、新日本、全日本、NOAHという旧メジャー3団体の王者で、もっとも濃い試合内容の防衛戦をこなしてきたのは、間違いなく潮崎豪でしょう。アメプロ的な内容で昔からのマニア層からは嫌悪されている内藤と、恵まれた才能を持て余したまま全盛期が過ぎた感のある諏訪魔と比べると、まあなんというか…w ある意味、潮崎の試合スタイルは変わってないんですよね。時代がNOAHのバチバチスタイルを再評価しつつある。その辺の説明は最優秀試合と団体の項で。
一時期、また中堅どころに下げられて終わるかと思ったKENTAの活躍は、個人的には嬉しい誤算でした。予定調和で終わりそうだった1.5のメインをぶち壊した乱入には、ホントに胸が躍りましたw 反則絡みの試合が目につきますが、KENTAの場合は格闘スタイルを先鋭化させていることで、うまく調和が保たれている気がします。何気にザックとのシングルが好内容だったことが嬉しかったなぁ。
ここには書いてないけど、次点は紫雷イオ。ASUKA同様、NXTのチャンピオンとなり、カイリの誘導はあったにせよ、NXT全体のMVPになるというのは本当に凄いことです。
◆最優秀試合◆
1位:潮崎豪vs杉浦貴(12.6NOAH 代々木第2)
2位:紫雷イオvsリア・リプリー(11.18NXT)
3位:矢野通vs高橋ヒロム(6.24新日本後楽園)1位。正直、潮崎の防衛戦はすべていいんだけど、ある意味もっとも“定番”の杉浦戦を。杉浦の年齢も考えると、おそらくこの試合が潮崎との“生涯ベストバウト”になる可能性が高いでしょう。50分越えのマラソンマッチというのは、個人的には賛同しかねるところがあるんですが、それを差し引いても、潮崎のチョップは本当に痛そう。前書きに書いた観客の声援に頼らないプロレスを考えた際、“痛み”って大きなキーワードだと思うのです。
2位は、紫雷イオとリア・リプリーのライバル対決1ラウンド終了ともいうべき試合。ピアスを開けた耳から出血した血を化粧のように頬に塗るリプリーは鳥肌モノ。一瞬のムーンサルト、最後は二人で抱擁という大団円も見ていて清々しかった。モニター越しから二人の覚悟が伝わる一戦でした。
で、「悪ふざけはやめろ」と言われそうな3位の選出。はっきり言って大真面目で、今年一番新日本で面白かった試合だと思います(神宮のみのるvs鷹木と迷ったけど)。
とにかくギミックが最高。ヒロムが抱える「バリカン攻撃」のトラウマを煽っておいて、最後は矢野のお株を奪うテーピングによる小包攻撃でエレベーター葬――無観客試合であることを逆手に取った、まさにこれぞ“コロナ禍の名勝負”でした。
「さっきと書いてることが違うじゃないか」という方も多いでしょうが…無観客を逆手に取ったエンタメで振り切った内容なら、それはそれで映像を見たファンには伝わると思うのです。例えばレッスルマニアのアンダーテイカーvs A.Jとか、馬鹿負けするくらいぶっ飛んでたじゃないですか。エンタメに徹する覚悟というか。悲しいかな、今年の新日本は、こういうコロナ禍と真正面に対峙した、ソフト面での実験的な試みが少なかった。矢野vsヒロムは、無観客の後楽園ホールを最大限利用した、最高のエンタメ試合だったと思うのです。
◆最優秀タッグチーム◆
1位:カブキ・ウォリアーズ
2位:杉浦軍
3位:暴走大巨人7月にカイリが離脱してしまいましたが、上半期までの活躍は特筆ものだったカブキ・ウォリアーズをそのまま1位に。離脱してからも衰えぬ人気を見るに、カイリって本当にWWEファンに愛されてたんだなぁ、と。ちょっとむこうのアイドルヲタみたいな人たちに人気が偏ってる気もするけどw
杉浦軍はなんというか、もうすべてが野暮ったいんですが、そんなことも気にしない勝手気ままさがいいですね。あのアバウトさがいい意味でブラックボックス化していて、ノアの興行をフリーハンドできているというのがイマドキらしいというか。ヘタな横文字を使わず、昔ながらの「軍」というのがまたいいw
で、正月の興行で解散しちゃいましたが、暴走大巨人は実績で3位に。それにしても、若い選手の台頭で、この二人の立ち位置ってかなり微妙になってきましたね…。
◆新人賞◆
1位:林下詩美
2位:田村ハヤト
3位:ストロングマシーン・J正直、興行として試合を見ることが減ってしまったので、新人がよくわからんのですw よくニュースや記事で名前を聞く3人をチョイス。てか、林下ってまだ新人賞の権利があったんだ…。
◆最優秀興行◆
1位:1.4NOAH後楽園
2位:4.4WWEレッスルマニア(1日目)
3位:11.9まっする3後楽園1位。やっぱり天下の新日本イッテンヨンを向こうに貼って4大タイトルマッチという興行という心意気は素晴らしい。かつて「夢の懸け橋」の真裏で興行したWAR好きとしては、1位に入れざるを得ませんw 今年のNOAHの“リボーン”は、SAへの身売りからじゃなくて、この興行からなんですよね。
2位のレッスルマニアは、興行というか、先ほども書いたアンダーテイカーvs A.Jのインパクトですね。「こんなのありなんだ!」と思わせた、プロレスという名の映像作品。翌日のシナvsワイアットも映画エヴァを思い出すほどのトンデモ内容でしたが、カブキ・ウォリアーズの王座戦もあった1日目をセレクトしました。
自分が先ほどから書いている、この“コロナ禍のプロレス”のジレンマを具現化した「まっする」を3位に。かつてのプロレススタイルのオマージュは、個人的にちょっとシラけちゃったところがあるんですが、その中のクインテットマッチが望外の面白さで。格下と言われがちなDDTスーパースターズの格闘家アスリート部分の誇示と、“勝負論”としてのプロレスの面白さを再確認させるという一挙両得の試みには、なかなか唸らされました。
本当に偶然だったんですが、コロナ以前で最後の有観客開催となった2.24DDT名古屋大会を実は生観戦していました(ナゴヤドームで開催されていた乃木坂46のバースデーライブのついでだった…という話はともかくw)。

メインは、ディーノとササダンゴが挑戦するKODタッグ戦。この試合、実はササダンゴが技を失敗したシーンがあったりしたんですが、その際に、観客席横にあった長机に座って観ていた数人のDDTレスラーたちが一斉に笑ったんです。バカにしてるわけじゃなくて、友達が結婚式のスピーチに失敗したのをみんなで笑うような感じ。ササダンゴの団体内での評価がわかったような気がしたんですね。
アスリートとしての動きはちょっと劣っていても、プロレスに対するマッスル坂井の姿勢は真摯だから、DDT配下のレスラーがみんな「まっする」に協力するんだろうなぁ…と。この2つの興行を生観戦とテレビで見たことが、なんだか自分には特別なことに思えてきたり。
まあ、「じゃあなんで3位なんだよ」って話なんですけどねw プロレス興行としてはかなり異質なので、この順位で。
◆最優秀団体◆
1位:NOAH
2位:WWE
3位:DDTと、いうことで、書いてるトーンでわかったと思いますが、今年、新日本プロレスに対しては、ワタクシ最低の評価をしております。
このコロナ禍で、プロレスの演出力が問われた時期に、出てくる試合が反則絡みのオンパレード。内藤というベビー化したヒールがチャンピオンなので、演出上で仕方がない部分もありますが、それにしても試合に反則が絡むことが多くて、潮崎や諏訪魔のようなフィジカルの強さを内藤から感じとることができなかったのは痛い。
かつて阪神大震災直後の大阪大会で、川田vs小橋60分フルタイムという試合を提供した全日本のように、今だからこそ新日本は出し惜しみをせず、「さすが業界一のスケール」と思わせるような、もっとエモーショナルなカードを組んで欲しかった。
また、裏MVP的な働きを見せたEVILですが、ジェイ・ホワイトと同様、反則の大盤振る舞いによってアスリートとしての魅力が見えづらくなってしまった。これではスーパーヒールになり損です。こういう至るところで、新日本は「守り」に入ってるように見えてしまった。なので圏外。
自分が1位に選んだNOAHは、2020年に多くのファンから支持を受けましたが、もともと四天王プロレス時代から続く“痛みの伝わる”プロレスが、このコロナ禍で再評価されているからでしょう。そりゃ松井珠理奈も新日本を捨ててNOAHを見るようになるわ、と(そういう事じゃないw)。
もちろん、リデット→SAという親会社の変更の中で、SNSでの発信など、ファンへのアピール力が高まったことも大きいと思います。問題は若手のエース格が清宮しかいないところでしょうね。新日本が上昇気流を描き始めたのは、オカダという天才が現れた時でした。竹下幸之介など、DDTから何人かの若手レスラーをリースしてみたらいいと思うのですが。
WWEは、レッスルマニアの際の自社ビル内での開催や、多くのモニターを会場内に設置したりなど、ハード面で面白そうな試みが多かった。こういう試みを新日本でも見たかったんですよね。
DDTは秋山のレンタル移籍でがぜん目が離せなくなってきたかな、と。竹下との2連戦は、プロレス界全体の至宝ともいうべき竹下のシンデレラストーリーに、きっと大きな影響を与えていくんでしょう。あと、自分と年齢がタメであれだけ動けるのはさすがw
ということで、“痛みとアピール力”のNOAH、“振り切ったエンタメと大スケール”のWWE、“文科系からアスリートプロレスへの脱皮”のDDTと、コロナの逆風に負けず、しっかり仕掛けをこしらえた3団体で、2020年はチョイスさせていただきました。
◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:1位:長州力Twitter
2位:「アメトーーク・プロレス大好き芸人」(テレ朝)
3位:「リングの記憶 第三世代~天山広吉×小島聡×永田裕志×中西学~」今年も「非定期書籍・映像メディア部門」と自分の中で決めを作って投票。
1位は…もう文句なしなんじゃないでしょうか。「飛ぶぞ」発言でバラエティ人気に火が付きそうだったところで、あのぶっ飛んだTwitter。「プロレスを伝えた」という意味で、知名度は文句なしだったのでは。
2位もおなじみ、「アメトーーク」のプロレス特集。新日に偏っちゃうのはちょっと不満なんですが、海野レフリーいじりは好きですね。本人がゲストで呼ばれてもおかしくなさそうなんですが、海野レフリー自身がやっぱり断ってるんでしょうか?
3位は…実は弊社の本だったりして。規定違反なら票から除外してください、杉さんw ただ、闘魂三銃士後を支えた「第三世代」関連のドキュメントってあまりない気がするんですよね。純粋に内容を考えて選んだ3位です。
で、いつものように、投票はしませんが、「定期マスコミ・映像メディア部門」を。
◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:1位:WWE NETWORK
2位:Abema格闘チャンネル
3位:新日本WORLDいつも紙媒体を選ぶんですが、今年はこういうコロナ禍の年なので、すべて配信WEB系を選んでおこうかと。
ただし。ちょっと思うんですが、今、ミュージシャンのライブって、アーカイブなしの有料配信ライブが主流なんですよね。怒る人もいるでしょうけど、新日本WORLDあたりなら月額費を少し下げる代わりに、興行を有料ライブで配信してみたらいいと思うんですよね。アーティストの中には、配信ライブのおかげでむしろ前年比より収入が上回ったなんて話もあるくらいなんですから。
また、ライブを見たファンには記念パンフを送るとか、サイン会の代替イベントとして、リモートによるオンラインイベントとか、こういう時だからこそできるファンサービスだってあるはずです。坂道系アイドルも、ファンとの交流を握手会から「ミーグリ」(本人と直接オンラインで会話ができるイベント)にシフトしているんですよね。
おそらくエンタメ業界は、2021年までイベントはオンラインが中心になっていくはずです。コロナがすぐ終わるだろうとおざなりな対応をしている会社ほど、窮地に陥る時代なんです。
興行の収容人数が5000人以下なので守りのマッチメイクをするくらいなら、黄金カードをあえてアーカイブなしの有料配信ライブにして、どのくらいの人間が視聴するか実験してみたらいい。仮に、今の飯伏のIWGPにケニー・オメガが挑戦するタイトルマッチを有料配信ライブで流してみたら、物凄い数の視聴者が集まると思うんですよねぇ。ワンマッチ配信ならAEWとの契約もうまくクリアできそうだし。俺、最後になんかすごくいいこと言ってるぞ!www
というわけで、いつものように長々と失礼いたしました!
2021年もプロレスと格闘技を見続けます!
あー、もうギリギリ。
今年も「
ネットプロレス大賞2019」にエントリーさせてもらいます。
「ネット・プロレス大賞」を主宰する管理人の杉さんとは、「週刊プロレス投稿常連会・プレッシャー」に入会していた頃からのお付き合い。杉さんが管理するプロレス専門ブログ「
ブラックアイ3」は、プロレスラーやプロレス業界からも一目置かれた情報ブログで、私もほぼ毎日巡回させてもらい、鈍りつつあるプロレス頭を刺激させてもらっています。
去年も書いたんですが、ここのサイトのような情報ブログが麻雀界にも現れないかなぁと思うんですよね。Mリーグ以外の麻雀界のタイトル戦・リーグ戦情報とか、選手の小ネタを拾った情報ブログは今でこそ求められているのではないかと。麻雀界の全体の流れを掴めるサイトというか。それこそウチでやってるキンマwebでもいいんでしょうけど、オフィシャルでやるとまた色々と問題が出てきそうですからね…(←お前が言うなw)
あ、いつものようにプロレスの話がわからない方はスルー推奨です(^^; 近々、麻雀の話もブログやnoteで更新しますので。
ちなみに2019年の生観戦は、新日、ZERO1が各3回。全日、WWE、みちのくが各2回、群雄割拠、マッスル、TAKAYAMANIAが各1回で、計15回でした。なんと2019年はかなりプロレス観戦しなかったなぁ…と思ってたら、なんと1回しか減ってなかったw あとRIZINが昨年同様2回。
ただ、坂道のライブが7回とかなり増えたんですよですよねw あとライブならBABYMETALが1回。野球はオールスターと札幌ドームに行って、その上JRAや公営ギャンブル場は数知れず…。
話が激しくズレましたなw そんな親不幸で現場主義な半世紀チョンガーが選ぶプロレス大賞、発表ですヽ(;▽;)
◆MVP◆
1位:宮原健斗
2位:ASUKA
3位:オカダ ・カズチカ 2019年、いわゆる老舗メジャー団体である全日、新日、NOAHって、実は頂点王者が長期政権だったってことで共通していたんですよね。つまり、MVPを考えるならこの3人でいい。宮原、オカダ 、清宮。
ただ、個人的に清宮にはまだ役不足に見えるんです。カッコいいだけで強さが感じられず、エースレスラーとしてはまだ完成されていない。
宮原はまさに清宮の3年後を走っているようなレスラーでしょう。三冠王者になりたての頃は芯がまだ固まっていませんでしたが、実戦を通して試合の緩急のつけ方を学び、技のインパクトを観客に伝えられるレスラーになりました。
なんとなく身体が硬く、リズムの取れないレスラーのことを自分は「プロレス音痴」と呼ぶのですが、宮原はまさに真逆の「プロレスコンダクター」。武藤、秋山、丸藤と並ぶ達人へと成長していったように見えるのです。
ということで宮原を1位にするとして、2位をそのまま素直にオカダにしたくないのは、2019年はSANADAとのシングルが多すぎたからw 実はケニーがいなくなった事がジンワリと響いていたんでしょう。好敵手が減ったことでオカダというレスラーの価値も少しだけ下がったというか。SANADAが役不足というわけではなく、もっと冒険したカードを組んで欲しかったなぁというのが正直なところ。
そこで、2018年同様プッシュしておきたいのがASUKAなんですよ。ロンダ・ラウジーが4月に姿を消し、リンチとシャーロットの2大エース体制のWWEで、「外国人ヒール」の座を不動のものとしました。これ、相当な偉業だと思うんですよ。猪木・坂口時代の新日でのタイガー・ジェット・シンみたいな立ち位置なんですから(また古い例えをw)。
今、アメリカで一番有名な日本人は、イチローでも大谷でもなく、ASUKAかもしれないということをファンはもう少し評価して欲しいな、と(大げさと思うかもしれないけど、マジですからね!)。
あと迷ったのは、今年引退で世間の注目を浴びたライガー。世間の認知度ではMVP級の活躍だったと思います。まる。
◆最優秀試合◆
1位:オカダ ・カズチカvs 鈴木みのる(8.31新日本イギリス)
2位:シャーロット・フレアー&ベッキー・リンチ vs カブキ・ウォリアーズ(12.15WWE TLC)
3位:宮原健斗 vs 野村直也(3.19後楽園) 最近の「日本スゲェ」的な風潮にはいまいちノリ切れないワタクシですが、プロレスに関しては別。世界のファンを相手に魅了するジャパニーズ・プロレススタイルにビンビン来てしまう。その中でも今回挙げた上位2試合は極上でした。
オカダvsみのるはイギリスにいるファンを期待通り昇天させた素晴らしい一戦。日本ではなくイギリスだったからこそ、この試合の価値はあるんですよね。世界の変態プロレスファンがジャパニーズレスラーに求めているのは、実は柴田やみのるのようなUWF系ガチスタイルだと思っていて、そのみのるの魅力がオカダという最高のエースレスラーを通して爆発した感じ。終盤で見せたオカダのドロップキックは、レインメーカー史上一番跳躍力のあったドロップキックかも。新日本の世界戦略はこういう試合があってこそです。
2位のTLC戦は、なんといってもWWEのPPVメインだったということ。2大エースタッグに外国人ヒールって構図、カブキ・ウォリアーズは馬場・猪木時代の日プロのディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキーみたいなもんですよ、大偉業じゃないですか(例えがもっと古くなってるよ!w) また、カイリ負傷後の団体全体のバックアップ(メイン後の唐突の乱入劇とか)が、いろいろ舞台裏が想像できて泣きそうになりましたね。杉さんもリストに入れ忘れてるけど、これ、間違いなくベストバウトですw
3位はMVPでも書いた、宮原の成長力をガツンと感じた一戦。ジェイクや野村らといった自らよりもキャリアの浅いレスラーを相手に、過去の三冠戦に勝るとも劣らない好勝負が展開できているのは、宮原のエスコート能力があればこそだと思います。
◆最優秀タッグチーム◆
1位:カブキ・ウォリアーズ
2位:諏訪魔&石川
3位:関本&岡林そんなわけで、ここでも“令和のブルクラ”(おいw)ASUKA&カイリのカブキ・ウォリアーズを1位に。
2位と3位は、1月と3月に行われた両タッグのド迫力試合をベストマッチに入れられなかった罪滅ぼしというか。諏訪魔&石川の順位の方が高いのは、最強タッグで優勝した分ですね。
◆新人賞◆
1位:アンドレザ・ジャイアントパンダ
2位:魔苦・怒鳴門
3位:ストロングマシーン・Jアンドレザ、まだ新人賞取ってなかったんだなぁw ということで、一昨年、去年のスライドで1位にさせていただきます。
正直、今年はあまり新人がよくわからないんですよ…なので、Twitterなどでよく見た選手をセレクトしまひた。
◆最優秀興行◆
1位:6.29WWE両国
2位:12.13みちのくプロレス/後楽園ホール
3位:8.26TAKAYAMANIA/後楽園ホール1位は昨年同様、WWEの興行に。なんといっても、HHHのサプライズ登場ですよ。日本ファンをリスペクトし続けてくれるWWEのアティテュードに心打たれました。実は酔っぱらってチケットを買ったら席種を間違えて25,000円もするアリーナ席を買ってしまい、公演前には死ぬほど後悔していたんですが、このサプライズのおかげでむしろ得した気分になれたのが個人的には嬉しかったですねw
2位は、第1試合のハヤト復帰戦とメインの宇宙大戦争の落差に思わず1票w 試合終了後に謎のジョーカー出現があったりと、頭の先から尻尾まで楽しめたエクセレント興行でした。
3位のTAKAMANIYAは、まずは髙山募金へのチャリティ趣旨と「8.26オールスター」を合わせたコンセプトの部分が大きいですね。新日は永田&小島でも構わないんですが、棚橋クラスを一人くらい出してもバチは当たらなかったんじゃないかなぁw
◆最優秀団体◆
1位:新日本プロレス
2位:WWE
3位:全日本プロレスここ数年、新日本プロレスを1位にしてなかったのですが、今年は1位にしてみました。理由は簡単で「オカダが強かったから」。
昨年も書きましたが、今の新日本プロレス、誰がなんと言おうと(特にロス・インゴファンw)、身体能力やレスリング技術など、オカダがぶっちぎりでエースです。闘魂三銃士時代や永田・天山、棚橋・中邑など、複数スター時代を経て、新日としては猪木以来の傑出したエースレスラーの爆誕。この完全無欠のエースをポンポン負けさせてはいけないんですよ。
しかし、2019年はIWGP王者に返り咲いた後、シングルで負けたのはSANADAと飯伏の2名のみ(だよね?)。いずれもシリーズの軸になる流れを作った敗戦であり、負け方も納得のいくものでした。オカダが本来の「エース」という居場所に戻った。それだけで個人的には新日を1位にするのに十分な理由なのです。
ちなみに。今年の1.5でオカダは内藤に負けましたが、「エース」という観点からいえば、試合後のKENTAの乱入によるバッドエンドは必然だと思ってたりします。はっきり言ってしまうと、内藤は人気こそありますが、出す技の「説得力」ではオカダと比べて1枚も2枚も劣ります。「佇まい」が一番売りのレスラー。そういうレスラーを一番輝かせるには、その内藤を叩き潰し、観客をヒートさせる「絶対悪」が必要なんです。ここ数年でヒールパターンを使い果たしたジェイ・ホワイトではその働きは役不足であり、キャリアや観客の(新日に対する)愛国心感情を含めて、KENTAは本当に最適だと思います。
タイトル戦線から再び撤退したオカダを今度こそ納得のできる使い方ができるか、内藤とKENTAの抗争をいかにデコレートしていくか…秋のG1開催なんてイレギュラーな動きもありますし、今年の新日本、ちょっと楽しみだったりします。
あとは、ここ数年、安定した面白さを感じるWWEと全日本プロレス。しかし、この辺はファンとしてひいきしてるだけなので、今年はもう少し他団体も見て、いろいろ考えていきたいところですね。
◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:「有田と週刊プロレスと」(Amazonプライム)
2位:「探偵ナイトスクープ」 メルカリで見つけた亡き夫のプロレスマスク
3位:ザ・ノンフィクション「新・漂流家族」シリーズ 佐々木義人さん出演今年もこの賞に関しては、「定期マスコミ・映像メディア部門」と「非定期書籍・映像メディア部門」で分けて考えたいと思います。理由は…毎年書いている通りということで(^^;
1位は去年同様、「有田と週刊プロレスと」にします。つくづく2019年で終わるのが惜しいというか、今からでもサムライとかBSで復活して欲しい番組です。地上波ではチラッとしか見せないプロレス知識のナイフを思い切り振り回す、有田さんの底知れないトークスキルときたら。プロレスバラエティとしてだけでなく、「全力!脱力タイムズ」などでその異能派ぶりを発揮する有田さんのアングラ部分が発揮された、稀有なトーク番組だったと思います。ホント、一度でいいから有田さんと一緒に酒を飲みに行ってプロレス話をしたいなぁ。海砂利水魚時代には「近代麻雀」の企画で何度かお見かけしてたのに…w
2位と3位は自分が見ていて心の動いたドキュメントにしておきます。世間の人って、「最近プロレスが面白いらしいぞ!」って企画よりも、こういうドキュメントから心にプロレスをフックさせていくのかもしれない…なんていう気も。
投票は上記で行いますが、「定期マスコミ・映像メディア部門」として選ぶなら?
◆最優秀プロレスを伝えたで賞◆
1位:WWE NETWORK
2位:KAMINOGE
3位:週刊プロレスまるっきり昨年と同じですw 昨年に「定期で発刊されるプロレス紙媒体は、仕事柄いつまでも応援したい」と書いたんですが、過去のバックナンバーが読める週プロプレミアムにはかなり心が惹かれていますw
* * * * * * * *
てなわけで。今年も長文失礼しました!
例年、書くのが大変になっていく…。
次のページ>